久しぶりにレッド・ホット・チリ・ペッパーズのステディアム・アーケイディアムを聴いてみた。
いい。
声とギターとベースとドラム。
基本的にこの4つの音に集中していればいい。
すべてが必要な音。
心地よい間の繰り返し。
必然的な空間があって、そこをジャンプしたり、のぞき込んだり、入り込んだりする。
間を楽しむことができる。
硬質な音のコミュニケーション
4つの個性が絡み合ったり、ぶつかり合ったり飽きることがない。
間のおかげでディストーションがかかった時の爆発力が気持ちいい。
メロディもいい。ちゃんと悲しみが含まれている。
言葉がわからない分、知ってる単語を拾って想像をすることができる。
時に、迷いのない決意表明を感じる。
「これが俺の生き方だ、文句あるか」と。
「俺は俺のやってることに責任を持ってる。若者たち、お前らはどうなんだ?」と。
高校の時、友達から「母乳」をかりて聴いたのがレッチリとの出会いで、そのあとすぐに「ブラッド・シュガー・セックス・マジック」を聴いた。
それまで日本のV系以外、洋楽はボン・ジョヴィ、ミスター・ビッグ、メタリカ、イングウェイ・マルムスティーン、ジューダスプリストとか、ハードロックやメタルを誰かがかしてくれて聴いたりしてたけど、それぞれ2枚目も自分で買って聴いてみよう、とまではならなかった。輸入盤でも1枚1500円くらいしたもんで、学生がそんなにポンポン買えなかったし。一回聴けばまあいいか、って感じだった。リフとかギターソロとか、速くてかっこいいんだけど「すげー!」で終わる。重厚、速弾き、ハイトーンボイス(もしくはデスボイス)、宗教的、悪魔的みたいのがどうもなじまなかった。
そんな中でレッチリは僕にとって新しい音楽との出会いだった。「なにこれ、ラップ?」「バキンバキンいってるのがベース?ベースがこんな目立つの?かっけー!」
チャキチャキいうギター、速くないけどかっこいい。
見た目もよかった。化粧なんていらないし、テカテカした服や黒い服もいらない。等身大のファッション。ていうか多くはハダカ。
ステージも素っ裸だったり、被り物だったりで、悪ふざけ感を出しながら激しく暴れまわる。そしてしっかり演奏する。
ミクスチャー。レッチリのおかげでヒップホップとかファンクとかパンクとか、それまで知らなかった音楽に出会うことができた。そんで音楽を通じていろいろな人の考え方や生き方、スタイルを知ることができた。
そうです。世界が広がったんです。
レッチリの音楽は、シンプルな音の重なりでできてるけど、十代の僕にとって多くの情報をもたらしてくれました。
目をつぶってヘッドフォンから流れる音を聴くだけで、頭の中に映像が浮かんだり、体を動かしたくなったり。
音楽は面白い。
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